2008-08-04 タウリン よる、ものすごい雷と雨。 「夏」 中原中也 血を吐くやうな 倦(もの)うさ、たゆけさ今日の日も畑に陽は照り、麦に陽は照り睡るがやうな悲しさに、み空をとほく血を吐くやうな倦うさ、たゆけさ 空は燃え、畑はつづき雲浮び、眩しく光り今日の日も陽は炎ゆる、地は睡る血を吐くやうなせつなさに。 嵐のやうな心の歴史は終焉(をは)つてしまつたもののやうにそこから繰れる一つの緒(いとぐち)もないもののやうに燃ゆる日の彼方に睡る。 私は残る、亡骸として――血を吐くやうなせつなさかなしさ。